STEP 4:登記申請|必要書類・法務局への提出・会社設立日の決まり方
登記申請書、定款、就任承諾書、印鑑関連書類などを揃えて法務局へ提出します。
申請日がそのまま「会社設立日」になる
会社設立日は、原則として法務局に登記申請をした日です。オンライン申請なら申請データが受け付けられた日、郵送なら申請書が法務局に到達した日が設立日になります。登記が「完了した日」ではない点がポイントで、審査に1〜2週間かかっても、設立日は申請日として登記簿に記録されます。
そのため「◯月1日に設立したい」「縁起の良い大安に設立したい」といった希望日がある場合は、その日に申請できるよう逆算して準備を進めます。具体的には、定款認証(STEP2)と資本金の払い込み(STEP3)を希望日の1週間前までに済ませ、本ページの必要書類一式を揃えたうえで、当日の午前中に法務局へ提出できる状態にしておくと安心です。
例えば10月1日設立を目指すなら、9月中旬までに定款認証、9月下旬に資本金の払い込みと書類作成、月末までに最終チェックを終えて、10月1日に申請するというスケジュール感です。設立日は登記簿にずっと残るうえ、決算期の設計や許認可・補助金の要件に関わることもあるため、日付にこだわりがある場合ほど余裕を持って準備しましょう。
登記申請を受け付けてもらえるのは法務局の開庁日(平日の8時30分〜17時15分)だけです。土日祝日や年末年始(12月29日〜1月3日)を会社設立日にすることはできません。1月1日や土曜日にあたる「1日設立」を狙っている場合は、設立日が翌開庁日にずれることをあらかじめ織り込んでおきましょう。
登記申請の必要書類一覧(株式会社の場合)
発起人が株式のすべてを引き受ける「発起設立」で、取締役1名の株式会社を想定した代表的な書類は次のとおりです。機関設計や定款の定め方によって増減があるため、あくまで目安としてご覧ください。
| 書類名 | 誰が作る・どこで取る | 備考 |
|---|---|---|
| 登記申請書 | 自分で作成(法務局サイトに様式・記載例あり) | A4横書き。登録免許税の収入印紙を貼る台紙とセットで提出 |
| 定款(認証済み) | STEP2で公証役場の認証を受けたもの | 紙定款は謄本、電子定款は「同一の情報の提供」の書面を添付 |
| 払込証明書+通帳コピー | STEP3で作成 | 通帳の表紙・1ページ目・入金が記帳されたページのコピーを合わせてとじる |
| 発起人決定書 | 発起人が作成 | 定款で本店所在地を番地まで定めていない場合などに必要 |
| 就任承諾書 | 設立時取締役・代表取締役が作成 | 役員への就任を承諾したことを証明する書面。押印して提出 |
| 代表取締役の印鑑証明書 | 市区町村役場(マイナンバーカードがあればコンビニ交付も可) | 発行後3か月以内のもの |
| 印鑑届書 | 法務局の様式に記入 | 会社実印(代表者印)を法務局に登録するための書類 |
| 収入印紙(登録免許税分) | 郵便局や法務局内の印紙売場で購入 | 台紙に貼って提出。自分で消印はしない |
合同会社の場合は定款認証そのものが不要なため、作成した定款をそのまま添付します。また、発起人決定書に代えて「代表社員、本店所在地及び資本金を決定した書面」を用いるなど構成が異なり、株式会社より必要書類は少なめです。
登録免許税はいくらかかるか
登記申請には登録免許税がかかります。金額は次のとおりです(2026年7月時点の目安)。
| 会社形態 | 登録免許税 |
|---|---|
| 株式会社 | 資本金の額×0.7%(15万円に満たない場合は15万円) |
| 合同会社 | 資本金の額×0.7%(6万円に満たない場合は6万円) |
資本金がおおむね2,140万円以下の株式会社なら15万円、850万円以下の合同会社なら6万円と考えておけば大丈夫です。納付は現金ではなく収入印紙で行うのが一般的で、郵便局の窓口や法務局内の印紙売場で購入し、申請書に添付する台紙に貼り付けます。オンライン申請の場合は電子納付(インターネットバンキング等)も利用できます。
なお、市区町村が実施する「特定創業支援等事業」による支援を受けて証明書の交付を受けると、登録免許税が半額(株式会社7.5万円〜、合同会社3万円〜)になる制度があります。創業セミナーの受講や継続的な窓口相談が要件とされることが多く、証明書の取得までに1か月以上かかる場合もあるため、利用したい方は設立準備の早い段階で本店予定地の市区町村に確認しておきましょう。
申請方法は3つ|窓口・郵送・オンライン
登記申請は、本店所在地を管轄する法務局に対して行います。商業・法人登記の事務は都道府県内の特定の法務局に集中化されている地域が多く、最寄りの法務局(支局・出張所)では受け付けていないことがあるため、法務局サイトの「管轄のご案内」で必ず事前に確認してください。申請方法は次の3つです。
- 窓口申請:法務局の商業登記窓口に書類一式を持参します。提出した日がそのまま設立日として確定し、受付時に書類の不足など明らかな不備に気づいてもらえることもあるため、初めての方に最も向いています。
- 郵送申請:書類が法務局に「到達した日」が申請日(設立日)になります。希望日ちょうどに届くよう日数管理が必要で、配達の遅れで設立日がずれるリスクがある点に注意してください。
- オンライン申請:法務省の「申請用総合ソフト」を使って申請します。法務局に出向かずに済む一方、ソフトの設定や電子署名の準備が必要で、初回はハードルが高めです。
実務上のおすすめは、事前に法務局の「登記手続案内」(予約制・1回20分程度)で書類一式を確認してもらってから窓口で申請する流れです。無料で利用でき、記載漏れや押印の不備をあらかじめ潰せるため、次に説明する補正のリスクを大きく減らせます。
補正(修正)の連絡に備える
提出後の審査で不備が見つかると、法務局から「補正」の連絡が電話で入ります。指定された期限内に修正すれば申請日(=設立日)はそのまま維持されるので、慌てる必要はありません。ただし放置すると取下げや却下につながるため、連絡には必ず対応しましょう。
補正の対応は、指定された期日までに法務局へ出向き、担当者の指示に従って該当箇所を訂正したり、書類を差し替えたりするのが基本です。訂正には会社実印や個人の実印が必要になることが多いため、連絡を受けたら持ち物を確認してから向かいましょう。遠方で出向くのが難しい場合の対応方法も、電話の際に相談できます。
(1)申請書には日中つながる電話番号を記載する、(2)会社実印と個人実印を申請後もすぐ使える状態にしておく、(3)よくある補正例=書類ごとの印鑑相違・押印漏れ、記載漏れや誤字、収入印紙の金額不足。提出前にこの3点を重点チェックすると安心です。
登記完了後にやること
審査が終わる「登記完了予定日」は、申請時に窓口の掲示や受付票で案内されます。法務局から連絡が来るのは補正があるときだけなので、完了予定日を過ぎたら、管轄法務局への電話や法務局サイトの「登記完了予定日」ページで完了を確認しましょう。審査にかかる期間は法務局の混み具合にもよりますが、おおむね3日〜2週間程度が目安です(2026年7月時点)。4月や10月など設立が集中する時期は長めにかかる傾向があります。また、登記が完了すると国税庁から法人番号が指定され、後日「法人番号指定通知書」が本店所在地に届きます。
登記が完了したら、次の3点を早めに取得します。いずれも法務局の証明書発行窓口で取得できます。
- 履歴事項全部証明書(登記簿謄本):銀行口座の開設、税務署・自治体への届出、社会保険の手続きなどで提出を求められます。2〜3通まとめて取っておくと二度手間になりません。
- 印鑑カード:会社の印鑑証明書を取得するために必要なカードです。印鑑カード交付申請書を提出して受け取ります。
- 印鑑証明書(会社):口座開設や各種契約で使います。こちらも複数通あると安心です。
ここまでで会社は正式に誕生しました。ただし、税務署への法人設立届出書の提出や社会保険の加入など、設立後にも期限つきの手続きが続きます。続きはSTEP5 設立後の手続きで解説します。
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