法人Webサイトの作り方!WordPress対ノーコード

創業時に必要なWebサイトの役割、WordPressとノーコードの違い、最低限用意すべきページを整理します。
インフラ・環境編

法人Webサイトの作り方!WordPress対ノーコード

創業時に必要なWebサイトの役割、WordPressとノーコードの違い、最低限用意すべきページを整理します。

創業期のWebサイトの役割は「実在証明」

創業したばかりの会社にとって、Webサイトの最初の役割は「デザインで魅せること」でも「検索で集客すること」でもありません。「実在する会社だ」と第三者が確認できることです。

法人の銀行口座を開設するとき、創業融資を申し込むとき、新しい取引先があなたの会社の与信を判断するとき——担当者はほぼ必ず社名で検索します。そのとき、会社概要と事業内容が載ったページが1枚でもあれば、「事業の実態がある会社」として確認してもらいやすくなります。逆に検索して何も出てこない会社は、口座開設の審査に時間がかかったり、取引開始をためらわれたりする一因になり得ます。

だからこそ創業期のWebサイトは、「凝ったものを時間をかけて作る」より「シンプルでもよいから早く公開する」が基本方針です。まずは1ページでも、社名・所在地・代表者・事業内容が確認できる状態を目指しましょう。デザインの作り込みや集客のためのコンテンツは、売上が立ってからで十分間に合います。なお、この「実在証明」の役割は取引先や金融機関に対してだけではありません。将来スタッフを採用するときも、応募者はまず会社名で検索します。サイトの有無は応募のハードルにも影響します。

ポイント

銀行口座開設や融資審査、取引先の与信調査では「社名で検索したときに何が出るか」が見られています。完成度よりも公開の早さを優先しましょう。

WordPressとノーコード、どちらで作るか

自分でサイトを作る場合の選択肢は、大きく「WordPress」「STUDIOやWixなどのノーコードツール」「ペライチなどの1枚LP特化型」の3つに分かれます。どれが優れているかではなく、自社の集客方針と使える時間に合うかどうかで選ぶのが判断のコツです。

項目WordPressノーコード(STUDIO・Wix等)1枚LP型(ペライチ等)
初期費用の目安0円〜(別途サーバー契約が必要)0円〜0円〜
月額の目安(2026年7月時点)サーバー代1,000円前後無料〜3,000円程度無料〜3,000円程度
自由度高い(テーマ・プラグインで拡張)中(テンプレートの範囲内)低い(1ページ構成が前提)
SEO・ページ追加記事やページを増やしやすいプランにより制限あり複数ページ展開には不向き
引っ越しやすさデータを他社サーバーへ移行しやすい他サービスへの移行は難しい他サービスへの移行は難しい
向いている人ブログや検索流入で集客を育てたい人手間をかけずきれいに作りたい人とにかく最速で1枚公開したい人

判断軸はシンプルです。将来ブログ記事やサービスページを増やして検索経由の問い合わせを育てたいならWordPress。集客はSNS・紹介・営業が中心で「名刺代わりのサイト」があればよいならノーコード。今週中に公開したい、まず器だけ用意したいなら1枚LP型。この整理で大きく外すことはありません。なお、ノーコードは運営会社のサービス内でサイトが完結するため、あとから別の仕組みへ引っ越しにくい点だけは契約前に理解しておきましょう。

最低限そろえる4つのページ

創業期のサイトに大量のページは不要です。次の4つがあれば、実在証明としての役割は果たせます。

  • 会社概要——社名・代表者名・所在地・設立年月・沿革。与信調査で最も見られるページです。
  • 事業・サービス内容——何を、誰に、いくらで提供しているのか。1ページで簡潔にまとめます。
  • お問い合わせ——フォームまたはメールアドレス。電話番号もあると信頼性が上がります。
  • プライバシーポリシー——問い合わせフォームで個人情報を取得する以上、必ず用意します。ひな形をそのまま使うのではなく、自社が実際に取得する情報と利用目的に合わせて調整しましょう。

余裕があれば、代表者の顔写真やあいさつ文を会社概要に載せることをおすすめします。創業期は会社の実績がない分、「誰がやっている会社か」が信頼の拠りどころになるからです。事務所や店舗の外観・内観の写真も、実在証明としての説得力を高めてくれます。

また、ネット販売(EC)を行う場合は「特定商取引法にもとづく表記」が必要になり、原則として事業者の住所を掲載することになります。自宅開業で住所を公開したくない場合の考え方は、バーチャルオフィスの記事で詳しく整理しています。

独自ドメインとメールアドレスは最初に取る

サイトをどのツールで作るかより先に決めたいのが、独自ドメインの取得です。ドメインは社名に合わせて取得し、費用は年1,000〜3,000円が目安です(2026年7月時点)。無料プランのサブドメインのままでは、取引先から見たときの信頼感がどうしても下がりますし、あとからドメインを変えると名刺・各種登録情報・検索評価のすべてをやり直すことになります。

あわせて、info@自社ドメインのようなメールアドレスも最初に整備しましょう。フリーメールのまま法人取引を始めると、口座開設やサービス契約の場面で法人としての確認に手間取ることがあります。ドメイン取得やメール環境の具体的な選び方は、創業期のITツールガイドにまとめています。

ひとつだけ実務上の注意があります。ドメインは年単位の更新制で、更新を忘れると失効し、最悪の場合は第三者に取得されてしまいます。クレジットカードでの自動更新を設定し、登録メールアドレスは必ず受信できるものにしておきましょう。

費用の目安——自作か外注か

費用感を「自作か外注か」で整理すると次のとおりです(いずれも目安・2026年7月時点)。

作り方費用の目安備考
自作(ノーコード)月1,000〜3,000円ドメイン代込みのプランもあり。制作時間は自分で確保
自作(WordPress)サーバー代 月1,000円前後+有料テーマ代(買い切り1〜2万円程度)無料テーマでも開始可能。保守・更新は自己責任
制作会社に外注20〜80万円程度+月額保守費要件・ページ数で大きく変動。運用体制も確認する

創業期にいきなり外注するのが唯一の正解ではありません。「まず自作で公開して実在証明を確保し、売上が立って集客に本格投資できる段階になったら、制作会社に依頼して作り直す」という二段構えは、資金の限られる創業期には現実的な進め方です。外注する場合も、この記事の判断軸を知っていれば、見積もりの内容や金額の妥当性を自分で判断しやすくなります。外注時は制作費だけでなく、公開後の保守費(月額)、更新作業を誰が行うか、ドメインとサーバーの契約名義が自社になっているかを必ず確認してください。名義が制作会社のままだと、解約時にサイトごと失うトラブルにつながることがあります。

公開後にやること——作って終わりにしない

サイトは公開した瞬間がスタートです。最低限、次の3つを済ませましょう。

  • Googleビジネスプロフィールへの登録——地図検索や「社名 検索」の結果に会社情報を表示させます。地域で顧客を獲得する業種なら特に重要です。詳しくはローカルSEOの記事をご覧ください。
  • 一次情報の統一——住所・電話番号・営業時間の表記を、自社サイト・Googleビジネスプロフィール・SNSで完全に一致させます。表記ゆれは信頼性の面でマイナスに働きます。
  • 月1回の更新——お知らせや実績を月1回でも追加しましょう。「最終更新が2年前」のサイトは、かえって不安を与えます。無理のない頻度で「動いている状態」を保つことが大切です。

ここまで整えば、創業期のWebサイトとしては十分な水準です。次は電話や名刺など、ほかのインフラ整備と並行して進めていきましょう。

創業準備で迷ったら、次の実務も確認しましょう

創業辞書では、創業期の経営者が判断しやすい実務情報を整理しています。必要に応じて、税理士・司法書士・社会保険労務士など適切な専門家と連携しながら確認することをおすすめします。

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