2026年の社会保険の変更点まとめ|雇用保険・健康保険・106万円の壁をわかりやすく解説

2026年は、社会保険まわりでいくつか重要な変更があります。
特に会社経営者やバックオフィス担当者にとっては、「保険料が変わるもの」と「加入ルールが変わるもの」の両方を押さえておくことが大切です。

社会保険の変更は、給与計算や会社負担額に直接影響します。
また、パート・アルバイトを雇っている会社では、加入対象者が増える可能性もあり、採用やシフト設計にも関わってきます。

この記事では、2026年に押さえておきたい社会保険の主な変更点を、できるだけわかりやすく整理して解説します。

目次

2026年の社会保険変更点は大きく4つ

2026年に注目したい社会保険の変更点は、主に次の4つです。

  • 2026年4月から雇用保険料率が引き下げ
  • 健康保険料率・介護保険料率の見直し
  • 子ども・子育て支援金の開始
  • 2026年10月から社会保険の適用拡大

実務上は、4月対応10月対応に分けて考えると整理しやすくなります。
4月は保険料に関する改定、10月は加入対象に関する見直しが中心です。

1.2026年4月から雇用保険料率が引き下げ

2026年4月から2027年3月まで、雇用保険料率が見直されます。
一般の事業では、労働者負担・事業主負担を合わせた料率が引き下げとなります。

雇用保険料は、毎月の給与計算で控除する項目です。
そのため、料率変更に気づかず前年の設定のままにしてしまうと、給与計算にズレが生じるおそれがあります。

会社が気をつけたいポイント

雇用保険料率の改定時期は年度替わりと重なるため、給与ソフトや社労士との連携内容を早めに確認しておくことが重要です。
特に、4月支給給与から新料率で処理するのか、締日や支給日との関係でいつから反映するのかは、社内で整理しておくと安心です。

2.健康保険料率と介護保険料率も見直される

2026年は、健康保険料率と介護保険料率にも見直しがあります。

健康保険料率は、加入している健康保険の種類によって異なります。
中小企業で多い協会けんぽでは、都道府県ごとに保険料率が異なるため、会社所在地によって改定内容が変わります。

一方で、40歳以上64歳以下の被保険者にかかる介護保険料率も見直されるため、対象者がいる会社では注意が必要です。

実務上の注意点

健康保険料率だけを見て「少し下がった」と判断しても、介護保険料率の上昇で結果的に控除額があまり減らないケースがあります。
そのため、給与計算では健康保険と介護保険をセットで確認することが大切です。

また、従業員から「社会保険料が先月と違うのはなぜですか」と聞かれることもあるため、担当者は簡単に説明できるようにしておくとスムーズです。

3. 子ども・子育て支援金が始まる

2026年の大きな変更点のひとつが、子ども・子育て支援金制度の開始です。

これは少子化対策の財源確保の一環として導入されるもので、医療保険とあわせて徴収される仕組みです。
実質的には、被保険者・事業主の双方に新たな負担が加わることになります。

会社への影響

会社としては、これまでの社会保険料に加えて、追加で負担を織り込む必要があります。
従業員側でも給与の手取りに影響が出るため、春以降は「なぜ控除額が変わったのか」という問い合わせが増える可能性があります。

実務で押さえたいポイント

新制度は名前だけ聞くと分かりにくいため、社内では
「2026年から新たな支援金の徴収が始まる」
「会社負担も従業員負担も増える可能性がある」
という形で、シンプルに共有しておくとよいでしょう。

4. 2026年10月から「106万円の壁」の見直しが予定されている

2026年10月は、短時間労働者の社会保険加入に関する見直しが大きなテーマです。
いわゆる**「106万円の壁」**に関係する賃金要件の見直しが予定されており、パート・アルバイトを雇用している会社には特に影響があります。

これまで、一定の賃金要件を基準に社会保険の加入対象外としていた人でも、見直し後は加入対象になる可能性があります。
そのため、「これまで社会保険に入っていなかった人が加入対象になる」というケースが増えることが想定されます。

影響を受けやすい会社

次のような会社は、特に影響を受けやすいです。

  • パートやアルバイトの人数が多い会社
  • 週20時間前後で勤務する従業員が多い会社
  • 人件費を細かく管理している小規模事業者
  • 扶養内勤務を希望するスタッフが多い職場

会社が今からやるべきこと

2026年10月の制度見直しに備えて、次の点を確認しておくことが重要です。

  • 週20時間以上働く従業員がどれくらいいるか
  • 現在の賃金水準で加入対象になりそうな人がいるか
  • 今後のシフト設計や採用条件に影響が出ないか
  • 会社負担がどの程度増える見込みか

特に、社会保険加入により手取りが変わることを気にする従業員も多いため、制度変更の説明を含めて準備しておくとトラブルを防ぎやすくなります。

5. 2026年は「変わるもの」と「変わらないもの」を分けて考えることが大切

社会保険制度は毎年何かしら見直しがありますが、2026年はすべてが大きく変わるわけではありません。
実際には、変更があるものと据え置きのものが混在しています。

そのため、実務では
「何が変わるのか」
「いつから変わるのか」
「誰に影響するのか」
を分けて整理することが大切です。

単にニュースとして知るだけでなく、給与計算、人件費予算、採用計画、従業員説明まで含めて考えることで、制度改正への対応がしやすくなります。

2026年の社会保険変更点を時期別に整理すると

ここで、2026年の主な変更点を時期別に整理します。

2026年4月に確認したいこと

  • 雇用保険料率の変更
  • 健康保険料率の改定
  • 介護保険料率の見直し
  • 子ども・子育て支援金の開始

2026年10月に確認したいこと

  • 社会保険の適用拡大
  • パート・アルバイトの加入対象の見直し
  • 106万円の壁に関する実務対応

このように分けておくと、年間スケジュールの中で対応漏れを防ぎやすくなります。

創業したばかりの会社ほど社会保険の見直しに注意

創業間もない会社では、売上拡大や採用に意識が向きやすく、社会保険の制度改正への対応が後回しになりがちです。
しかし、社会保険の変更は、会社の資金繰りや採用設計にそのまま影響するテーマです。

たとえば、パート従業員の加入対象が増えれば、会社負担が増えるだけでなく、本人の働き方希望にも影響します。
また、保険料率の改定を見落とすと、給与計算ミスや従業員との認識違いにもつながります。

創業初期の会社ほど、制度変更を「難しい話」で終わらせず、人件費管理の一部として捉えることが大切です。

まとめ|2026年の社会保険は「4月の保険料変更」と「10月の適用拡大」がポイント

2026年の社会保険の変更点は、主に次のように整理できます。

  • 4月は雇用保険料率、健康保険料率、介護保険料率など保険料面の変更がある
  • 子ども・子育て支援金が始まり、会社と従業員の双方に新たな負担が生じる
  • 10月は106万円の壁の見直しにより、パート・アルバイトの社会保険加入対象が広がる可能性がある
  • 会社は給与計算だけでなく、人件費予算や雇用管理まで含めて準備が必要になる

2026年は、社会保険について「なんとなく知っている」だけでは対応しにくい年です。
特に中小企業やスタートアップでは、制度変更がそのまま経営判断につながる場面も少なくありません。

早めに内容を整理し、必要に応じて社労士や専門家と連携しながら、無理のない形で対応を進めていきましょう。

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